【香川県】ものづくりの誇り – 清水智子さんが化学・樹脂の現場で見つけたもの

⚙️ ものづくりの誇りという選択

清水智子さん、24歳。香川県にあるこの化学・樹脂の現場で働き始めて、もうすぐ3年になる。今日も笑顔で出勤する姿は、販売員から工場へ転身とは思えないほど活き活きとしている。同僚たちと冗談を交わしながら作業着に着替え、白い帽子をかぶり、現場へと向かう。その背中には、確かな自信と、ここで自分の居場所を見つけたという誇りが、にじみ出ているようだった。

販売員から工場へ転身の清水智子さんにとって、安定した収入を得られる仕事はずっと夢のような存在だった。来月の給料がいくら入るか分からない不安、急な出費に怯える日々——そんな生活を続けながら、本当はもっと違う人生を歩みたいと、ずっと願っていた。求人広告に「寮完備」「未経験OK」「月収24万円」の文字を見つけた時、ようやく一筋の光が差し込んだような気がした。「これは、自分のための仕事かもしれない」。長年諦めていた未来が、急に色を取り戻した瞬間だった。

ものづくりの現場

新たな一歩

「ここなら大丈夫かもしれない」——実際に職場見学に行った清水智子さんは、現場の活気と清潔さに驚いた。想像していた重苦しい工場のイメージとはまったく違う、明るく整然とした空間。働いているスタッフたちは、すれ違う度に「こんにちは」と声をかけてくれる。先輩スタッフの一人が、わざわざ手を止めて「分からないことがあったら、いつでも聞いてね」と笑顔で言ってくれた。その瞬間、「自分もここで働きたい」と素直に思えたという。

入社してすぐ、ベテランの先輩が一対一で仕事を教えてくれる体制になっていた。清水智子さんを担当してくれたのは、勤続15年以上のベテラン社員だった。「焦らなくていいよ。3ヶ月くらいで一通りできるようになるから」と言ってくれるその先輩の言葉が、何よりも心強かった。難しい場面に直面しても、すぐに飛んできてフォローしてくれる。質問すれば嫌な顔ひとつせずに教えてくれる。清水智子さんはここで、生まれて初めて「自分は大切にされている」と感じたという。

成長と仲間

1年が経つ頃、清水智子さんはチームのリーダーを任されるようになった。「自分にこんな役割が回ってくるなんて」と、最初は戸惑った。けれど、上司からの「君ならできる」という言葉を信じて、責任を引き受けることにした。毎朝のミーティングを仕切り、メンバーの体調を気遣い、生産計画を立て直す——慣れないリーダー業務は大変だったが、メンバーが付いてきてくれることで、徐々に自信が育っていった。「リーダーになって初めて、人を支えるとはどういうことか分かった気がします」。清水智子さんはそう穏やかに語る。

寮の同室の仲間とは、まるで兄弟のような関係になった。仕事の悩みも、家族のことも、将来の夢も、何でも話せる相手ができたのは生まれて初めての経験だった。「一人暮らしだと、つらいことがあった時に話せる相手がいなくて、ずっと抱え込んでしまうんです。でもここでは、いつでも誰かが聞いてくれる」。清水智子さんは、寮生活がもたらしてくれた人間関係の温かさに、何度も救われたという。

工場での仕事

忘れられない出来事

ある日、清水智子さんが手掛けた製品が、テレビの特集で取り上げられた。「これが世の中に出回っているんだ」。普段は気にしていなかったけれど、自分の仕事が確かに誰かの暮らしを支えていることを、改めて実感した。家族にもLINEで「これ、自分が作っているやつだよ」と写真を送ったら、母親から「すごいね、誇らしいよ」と返事が来た。涙が出そうになった。「自分のしていることに、こんな価値があるとは思っていなかった」。清水智子さんは、その日の出来事を一生忘れないだろうと語る。

そして今

「あの時、勇気を出してこの仕事を選んで本当に良かった」。清水智子さんは何度もそう繰り返す。仕事を通じて得たのは、収入だけではなかった。信頼できる仲間と、自分自身への自信。困った時には誰かが手を差し伸べてくれて、自分が困っている人を見つけたら、今度は自分が手を貸せる——そんな当たり前のように見える人間関係が、実はとても貴重だったのだと、今になって気づくという。「人生には、こういう温かい場所もあるんだ」と思えることが、何よりの財産になった。

あなたへ

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