住民税は2年目から引かれる|1年目と手取りが変わる理由

「働き始めて1年たったら、急に手取りが減った」という声があります。時給も勤務時間も変わっていないのに減る。その正体はほとんどの場合、住民税です。仕組みを知っておくと、あわてずに済みます。
住民税は前年の所得にかかる
所得税は毎月の給与からその月の分が引かれます。これに対して住民税は前年1年間の所得に対して計算され、翌年に納めるという仕組みです。
そのため、働き始めた年は前年の所得が少ない(または無い)ぶん住民税がほとんどかからず、翌年になって前年分の請求が始まります。手取りが減ったように見えるのは、この時間差が理由です。
| 時期 | 給与から引かれるもの |
|---|---|
| 1年目 | 所得税・社会保険料 |
| 2年目の6月から | 所得税・社会保険料+住民税 |
住民税の徴収は6月分から翌年5月分までを12回に分けて引く形が一般的です。切り替わるのが6月なので、その月の給与で気づく方が多くなります。
どれくらい引かれるのか
住民税は所得割と均等割で構成されます。所得割はおおよそ課税所得の10%が目安です。前年の所得が多いほど翌年の負担も大きくなります。
具体的な金額は、扶養している家族の人数、社会保険料の額、各種控除によって変わります。正確な金額は、5月から6月ごろに届く住民税の通知で確認できます。
1年目から引かれる人もいる
ここまでの話は、前年の所得が少なかった方の場合です。前年も働いていた方、つまり他の仕事から移ってきた方は、1年目から住民税が引かれます。前年の所得に対する課税なので、勤務先が変わっても納める義務は続くためです。
前の職場で給与から引かれていた場合、退職の時期によっては納付書が自宅に届く形に切り替わることがあります。届いた納付書を放置すると延滞金がつくため、新しい勤務先で給与から引く形に戻せるかを担当者に確認してください。
2年目に備える
いちばん確実な備えは、1年目のうちに「2年目は月に1万円前後手取りが減るかもしれない」と見込んでおくことです。寮費無料の求人であれば、その分を貯めておく余裕は作りやすいはずです。
- 1年目の給与明細で住民税の欄が空欄かどうかを確認する
- 空欄なら、2年目から引かれ始めると考えておく
- 6月の給与明細で実際の金額を確認する
- その金額を前提に、毎月の予算を組み直す
途中で辞めるときの注意
年の途中で退職すると、残りの住民税をまとめて請求されることがあります。給与から引く方法が使えなくなるため、自分で納付する形に切り替わるためです。
退職時にまとめて給与から差し引く方法や、自宅に届く納付書で納める方法があります。どちらになるかは退職の時期と手続きによって変わるので、辞めることが決まった段階で担当者に確認しておくと、あとで大きな請求に驚かずに済みます。
給与から引かれる形と、自分で納める形
| 形 | 中身 |
|---|---|
| 給与から引かれる(特別徴収) | 会社が毎月の給与から差し引いて納める。6月から翌年5月までの12回 |
| 自分で納める(普通徴収) | 市区町村から納付書が届く。年4回にまとめて納める |
働き始めた1年目は、前年に収入が少なければほとんどかかりません。問題になるのは2年目の6月からで、ここで手取りが変わります。
自分で納める形になっている場合、1回あたりの金額が大きく見えます。年4回に分けているだけで、総額が高いわけではありません。納付書が届いたら、金額を12で割って毎月積んでおくと払いやすくなります。
引っ越しても納める先は変わらない
住民税はその年の1月1日に住民票のあった市区町村に納めます。年の途中で引っ越しても、その年度の納め先は変わりません。
- 寮に移って住民票も移した場合、切り替わるのは翌年度から
- 納付書は住民票の住所に届く。転居届と郵便の転送届を忘れずに
- 届かないまま期限を過ぎると、延滞の扱いになることがある
- 心当たりがあれば、前に住んでいた市区町村の窓口に問い合わせる
「届いていないから無い」ではありません。住所の変更が反映されているかは、自分で確かめておいてください。
1年の流れの中で見ておく
住民税だけを単独で覚えようとすると身構えますが、年間の手続きの一つとして並べて見ると分かりやすくなります。
- 入社した月:契約書、社会保険、健康診断
- 半年:有給休暇が与えられる
- 12月:年末調整
- 1月:源泉徴収票が届く
- 2年目の6月ごろ:住民税が引かれ始める
この並びで見ると、住民税はいちばん最後に来る手続きだと分かります。1年目のうちにその分を見込んでおけば、手取りが変わったときに慌てずに済みます。
住民票を置いた場所で決まるもの
ふるさと納税を使うかどうかも、住民票のある場所で扱いが変わります。寮に住んでいる人は、そこから確かめてください。
知らないまま損をしないために
住民税は避けられない支出ですが、時期と金額が読めれば計画に組み込めます。「働き始めた年は税金が安く見える」という前提を頭に入れておけば、2年目の変化は想定内のことになります。
給与明細は毎月ざっと見るだけでも意味があります。何が引かれているかが分かれば、手取りが動いたときに理由を自分で説明できるようになります。
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