入社時に署名する書類|誓約書と秘密保持で見ておく点

入社の手続きでは、雇用契約書のほかにも署名する書類が出てきます。中身を読まずに名前だけ書く場面になりがちですが、何のための書類かは知っておいてください。
出てくることが多い書類
| 書類 | 何のためのものか |
|---|---|
| 労働条件を示した書面・雇用契約書 | 時給・勤務時間・契約期間などの条件。いちばん重要 |
| 誓約書 | 就業規則や安全のきまりを守ることの確認 |
| 秘密保持に関する書面 | 職場で知った情報を外に出さないことの確認 |
| 身元保証に関する書面 | 求められる場合がある。頼める人がいなければ相談できる |
| 各種の届出書 | 通勤方法、口座、扶養の状況など |
このうち条件が書かれているのは1行目だけです。ほかは「守ること」を確認する書類なので、性質が違います。
誓約書で見ておく点
多くは、就業規則を守る・安全のきまりに従う・報告を怠らない、といった当たり前の内容です。そのうえで、次の点だけ目を通してください。
- 金銭の負担を約束させる記載がないか(あらかじめ違約金や賠償額を決めておくことは認められていません)
- 退職について、法律や就業規則より不利な条件が書かれていないか
- 内容が抽象的すぎて、何を守るのか分からない箇所はないか
1つ目に該当する記載があれば、その場で確認してください。署名したから有効になる、という性質のものではありません。
秘密保持はどこまでか
製造の現場では、工程・図面・生産の計画・取引先といった情報を扱います。これらを外に出さないことを確認する書面です。
- 撮影して外に出すことは、退職後も対象になるのが通常
- 会員制の場や、鍵を掛けた投稿でも「外」にあたる
- 次の職場の面接で前職の話をするときも、製品名や取引先は避ける
- 友人や家族に話す場面でも、具体名を出さないほうが安全
難しく考える必要はありません。「見た人が、どこの何の話か分かる形にしない」——この一点を守っていれば、まず問題になりません。
身元保証を求められたら
求められる場合がありますが、頼める人がいないことを理由に、応募をあきらめる必要はありません。
この書面には法律上の決まりがあり、期間の定めがなければ3年、定めても上限は5年とされています。無期限に責任を負い続ける仕組みではありません。金額の上限を書面に記載することも定められています。
頼める人がいない場合は、その旨を早めに相談してください。別の形で対応してもらえることがあります。
署名する前にやること
- 読む時間がほしいと伝える。持ち帰りが難しければ写真を撮らせてもらう
- 分からない言葉に印をつけ、まとめて聞く
- 面接で聞いた内容と食い違う箇所がないかを見比べる
- 署名した書類は、控えをもらう
最後の項目を忘れがちです。控えが無いと、後から何に署名したかを確認できません。紙でもらえない場合は、署名する前に写真を撮っておいてください。
電子で署名する場合
紙ではなく、画面上で同意する形が増えています。扱いは紙と同じですが、手元に残らないことがある点に注意してください。
- 同意する前に、画面を最後までスクロールして読む
- 控えが送られてくるか、後から見返せるかを確認する
- 送られてこない場合は、画面を保存しておく
- 同意した日付が分かる形で残しておく
紙なら控えをもらえば済みますが、電子は自分で残さないと消えます。あとで確認したい場面は、思っているより来ます。
入社後にも書類は出てくる
| 時期 | 出てくるもの |
|---|---|
| 入社直後 | 社会保険の資格取得に関する書類、口座の届出 |
| 数週間後 | 健康保険の資格情報。届くまでの受診は先に相談しておく |
| 毎月 | 給与明細。控除の内訳を確認する |
| 年末 | 年末調整の書類。前職があれば源泉徴収票が要る |
提出を求められる書類には期限があります。手元に無いものは、早めにその旨を伝えてください。取り寄せに1週間ほどかかるものもあります。
控えはもらえるのか
署名したあと、その紙が手元に残るかどうかは書類によって違います。ここを意識していないと、何に署名したのか自分では確かめられない状態になります。
| 書類 | 手元に残るか |
|---|---|
| 労働条件を書いたもの | 必ず渡される。捨てずに保管する |
| 雇用契約書 | 2部作って双方が持つのが通例 |
| 誓約書・秘密保持 | 会社側だけが持つこともある |
3つ目のように控えが出ない場合は、署名する前に写真を撮らせてもらえないか聞いてください。断られることもありますが、聞くこと自体は失礼にあたりません。撮影が難しい場合は、その場で内容を読んで、気になる条項を書き写しておくだけでも違います。
手元に何が残っているかを把握しておくと、あとから話が食い違ったときに立つ位置が変わります。渡された書類は、まとめて1か所に入れておいてください。
急かされたときの考え方
読ませない、質問を嫌がる、その場で決めさせようとする。この3つがそろう場合は、いったん止まってよい場面です。
まともな会社であれば、読む時間を求められて困ることはありません。入社の手続きは慌ただしいものですが、署名は自分の意思ですることです。
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