契約更新はどう決まる?見られている点と自分でできること

期間の定めがある契約で働く場合、「更新されるのか」は生活に直結します。何で決まるのかを分けて見ていきます。
決まり方は2つに分かれる
| 要素 | 中身 | 自分で動かせるか |
|---|---|---|
| 会社側の事情 | 生産量、受注の見通し、人員の計画 | 動かせない |
| 本人の状況 | 出勤、作業の習熟、安全の遵守、本人の意思 | 動かせる |
ここを混ぜて考えると、自分の努力ではどうにもならない部分まで背負うことになります。分けたうえで、動かせるほうに力を使ってください。
会社側の事情
製造の現場では、生産する台数の計画に合わせて必要な人数が決まります。計画が縮めば、本人の働きぶりとは関係なく人員が絞られることがあります。
これは評価ではなく状況です。更新されなかったことを、そのまま自分の能力の評価として受け取る必要はありません。実際、同じ時期に同じ工程の複数名がまとめて対象になることもあります。
本人の側で見られている点
順番としては、次のように重みが違います。
- 安定して出勤しているか(もっとも大きい)
- 手順と安全のきまりを守っているか
- 作業に慣れて、任せられる範囲が広がっているか
- 報告・連絡ができるか(不具合や体調を隠さない)
- 本人が続ける意思を示しているか
作業の速さが最上位に来ないのは、速さは慣れれば上がるが、出勤の安定は替えがきかないからです。人を配置する側から見ると、確実に来る人がいちばん計算しやすい存在になります。
意思表示は思ったより効く
続けたい意思を伝えていない人は、辞めるつもりだと受け取られていることがあります。特別なことをする必要はなく、面談や日常の会話で一言伝えれば十分です。
「更新できるなら続けたいと思っています」。これを伝えているかどうかで、人員の計画に入るかどうかが変わる場面があります。
時期の目安を知っておく
更新の話は、契約が終わる少し前に出るのが通例です。いつごろ話があるのかを、契約書と、担当者への確認の両方で押さえておいてください。
時期が分かっていれば、続ける場合も続けない場合も準備ができます。逆に、何も聞かないまま終了の直前になると、選べる幅が狭くなります。
更新されなかった場合の備え
可能性がある以上、備えておくほうが安全です。次の3つを、働いているあいだに用意しておいてください。
- 次の住まいの初期費用(寮に入っている場合はとくに)
- 担当した工程・扱った設備・取得した資格の記録
- 雇用保険の被保険者証など、手続きに使う書類の所在
1つ目が用意できていると、更新の有無に生活が揺さぶられなくなります。これは更新を望む場合でも、望まない場合でも同じです。
更新には通算の上限がある場合がある
期間の定めがある契約は、法律上、通算で5年を超えて繰り返された場合に、本人が申し込めば期間の定めのない契約に切り替えられる仕組みがあります(無期転換)。
そのため、更新の回数や通算の期間には、あらかじめ上限が設けられていることがあります。これは個人の評価とは関係のない、制度上の区切りです。
自分の契約がどうなっているかは、雇用契約書の「契約期間」「更新の有無」「更新の判断基準」の欄に書かれています。入る前に読んでおいてください。
自分から更新しない選択
更新するかどうかは、会社だけが決めるものではありません。本人が続けないと決めることもできます。その場合も、早めに伝えるのが筋です。
- 次の予定が決まっているなら、分かった時点で伝える
- 寮に入っている場合は、退去の日程を同時に確認する
- 最終出勤日と、有給が残っていればその扱いを確認する
黙って終了の日を迎えるより、意思を伝えておくほうが手続きが滞りません。次に同じ会社を選ぶ可能性も残ります。
更新を前提にしすぎない
期間の定めがある契約は、区切りがあることが前提です。更新される場合もありますが、されなかった場合に成り立つ計画を先に作っておくほうが、結果として落ち着いて働けます。
「この期間でいくら貯める」「この工程を覚える」と決めておけば、更新の有無にかかわらず手元に何かが残ります。
応募の段階で聞いてよい
契約の期間、更新の可能性、判断の時期。これらは入る前に確認できる内容です。聞いたからといって不利になることはありません。
先が読める状態で働き始めるほうが、途中で迷わずに済みます。
聞くのは、次の4つで足ります。
- 契約の期間はどれくらいか(3か月ごとなのか、6か月ごとなのか)
- 更新するかどうかは、いつ頃決まるか(期限の何週間前か)
- これまで、更新されている方はどれくらいいるか
- 通算で働ける期間に上限があるか
言い方に迷うなら、「長く続けたいので、先の見通しを知っておきたい」と前置きしてください。続ける前提で聞いている人だと伝わるので、警戒されることはありません。
返ってきた答えの読み方も、ひとつだけ。「そのときの状況によります」は、ふつうの答えです。受注の量で決まる部分があるので、断言できないほうが自然です。ただし、これまでどうだったかを言えない場合は、意味が違います。実績は過去のことなので、答えられるはずのものだからです。
そして、聞いた話は書面に書いてあることと突き合わせてください。食い違っていたら、書面のほうが残ります。
聞くべきことが決まったら、あとは募集を見て確かめるだけです。
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